Facebook : Nara Akira
東ジャワには、古くからの聖地にその後ヒンドゥー教の施設があちこちに建設されており、興味深いものがあるため、独立闘争の聖地である大都市スラバヤの見学と併せてそれ程遠くない所を訪ねてみようということで出かけました。
スラバヤ西南の1-2時間で行ける町モジョケルト、そこに高名を聞いていたAndi Soid文化保護局長さんがおられるのでコンタクトし、アルジュン山と並ぶプナングンガン山麓などにもある遺跡についてアドヴァイスを求めるべく連絡しました。
丁度スラバヤ市街に業務で出てこられていたAndi局長さんとお会いでき、プナングンガン山麓のJolotundo遺跡が近いし適当で良いとのアドヴァイスをいただきました。
バス1.5時間、乗り合いミニバス1時間を乗り継いで最後はバイクタクシー・オジェに乗って遺跡に向かいました約30分。途中アルジュン山・プナングンガン山がよく見え、御殿場から須走口に向かうような景色を楽しみながら行きました。
Jolotundo遺跡の入口 Andi文化保護局BPCB長
遺跡の前には休憩・土産店もあり、聖なる地とみているイスラム教徒訪問者の祈りの場所ムショーラもあります。入口を入って進んで90度左に向きを換えると遺跡に正対します。正面の階段を上がって本殿遺跡になります。
日本でも人気の隣のバリ島から、白装束の人たちがこの聖地にお参りに来ています。時々皆さんでバスを仕立てて来ているとのことです。千年前(AD997)に建てられた山麓の丈の高い木々に囲まれた静かな寺院です。
此処は水が豊富であり、イスラム教徒を見慣れた私には馴染みがないですが、若さ維持の効能の聖水を有難く思う人たちにとっては素晴らしい所で水を浴びています(世界第3位とか)。
昔は水口が52あったとかで、大池と別に今も左右に沐浴できる小施設があります。男性はかなりの程度脱衣していますし、女性も衣服の濡れを全く気にしていません。(皆さんお参りの後、着替えています。)
ここで祈りの一夜を過ごす人もいるそうです。
そして私には印象深いのですが、この背景に実に立派な天然の岩が自然のまま沢山あります。ここが選ばれた一つの理由と考えています。
下の写真で若い人が無心にお祈りしていますが、上方を見てください、白装束の一行のリーダーがお歳で足も少し不自由なのにわざわざ背景の岩群に惹かれて登って行き鎮座しています。
若い人たちは行きませんが、明らかに(私と同じように)この岩群をも有難いものとして意識しています。日本の磐座に通ずるものがあると感じます。
そして正面からは見えませんが、本殿中央の上の裏奥に小さな祠のようないわば奥の院があります。
こちらは多くの人が正面横の階段を上がって行って見ており、お参りする人もいてお花や供物などが見られます。
当国はイスラム教の国と思われていますが、遺跡だけでなくこのように現在も種々の信仰、伝統文化がそれぞれを尊重しながら生きています、多様性の中の統一。
左手から登っていける山頂の方にはお墓も多いそうで、此処は明らかに当国各地で見られる万年の古い山岳信仰が受け継がれてきています。
(了)