これまで日本にも大いに関係すると考えられるインド亜大陸ドラヴィダ・タミルTamilの歴史や先史の「補助線」、アジアの楽園Sundalandについて考えてきました。
ドラヴィダ・タミルに関してはモヘンジョ・ダロ西方の万年に迫る古い遺跡や、今は土漠になっていますが宗教文献リグ・ヴェーダに書かれた内容に合致する、ヒマラヤからアラビア海に至る河川沿いに遺跡がどんどん発掘され、歴史の見直しが進めてられています。
近年の科学技術の進歩により、1万1千年前頃のトルコ東南のギョベクリ・テペGobekli Tepe遺跡は、その地下に更に沢山の同様の遺跡があることが分かりました。
新石器時代初期以前の狩猟採集民族とみられる人たちによる驚きの巨石遺跡で、時代の様子と石器人に対する認識を大きく替えるものです。
英国のストーン・ヘンジStone henge地域も下写真の広域調査により、地域の地下に数多くの遺跡があることが分かりましたし、世界の各地で地中や海中の遺跡が明らかになってきています。
今回はエジプトにおいて、あのツタンカーメン墓Tutankhamun’s tombに描かれた絵の裏測に隠れた空き室がある(90%の確かさ)との驚きの発表がありました。
SLIDES © AP Photo/Amr Nabil, File By NOUR YOUSSEF, Associated Press
空き室の存在は地中レーダーにより明らかになり、Nefertiti 女王のものではないかと考えられ今後詳しく分析されるとのことです。
アジアの楽園では、千年間も火山灰の下にあった世界遺産ボロブドゥールBorobudur遺跡のほかにも、最近になって中ジャワのスクー寺院Candi Sukuh本堂の内部地中に同様の構造物があることが新たに発見されています。
また、カンボジアの世界遺産アンコールAngkor遺跡群から遠くない場所で、ヘリコプターからの地表のレーザーLaser調査により古代クメール王朝初期の驚きの広大な首都Ibukotaの街、道路や水路の状況が明らかになっています。
西ジャワのグヌン・パダンGunung Padang巨石遺跡(下図)も既に電磁気調査によって地中に空き室(濃い赤部)があるとみられるほか、内部は万年にわたり時代を大きく異にする3層以上の構造物であるとみられています。(赤部は溶岩、緑部は人工物、数字は年前、lapisanは層です。)
ピラミッドPyramidとしては世界最古のものと考えられることから、最下層の古い人工の成形の態様がどのようなものか推定できる高性能の機器の登場と調査手法が期待されます。
最下層の人工物の年代、形状が明らかになれば、「先史の補助線」・アジアの楽園Sundalandの往時の社会の状況(文明の曙)を推測・理解できますし、世界のピラミッドに及ぼした影響に関しても明らかになることでしょう。
人類史の百貨店であるアジアの楽園の多くの遺跡が更なる調査を待っており、正にクール・ジャパンCool Japanの名に相応しいハイテク国際協力の分野と考えています。