「歴しニア」報告 話題のTPP、地域の歴史考古研究に予算を!

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前回、右図男女の遺伝子DNAの拡散①②から北海道が注目される③を説明しましたが、実は左図スンダランド地域における考古学上の発見も、それに沿った内容となっています。

地域ではスラウェシ島のマロスで世界最古(4万年前)の洞窟に描かれた手型、更に動物絵や島内の洞窟から人が乗った帆掛け舟の絵まで発見されて、旧石器時代の洞窟芸術を誇る欧州を、世界を驚かせました。その西方では、あのジャワ原人発見の蘭人デュボアが、かつてスマトラ島の中央西南部パダンのLida Ajer遺跡で人の歯を発見していましたが、近年、最新のウラン系列放射年代測定法で新たな資料を含め詳細な分析を行った結果、6万年(これまでの出アフリカ年代)以前の現生人類の痕跡として、歯はインマレイド(旧モンドロイド名称は不適切)のモノで、7.3~6.3万年前という判定をしました。これにより、北ラオスの7~6万年前の痕跡やスマトラ島のトバ大噴火前の現生人類の進出などが確認されたとしています(フィリッピン北部の7万年前痕跡も)。そして、発見場所が中西部沿岸の都市パダンの高地であることから、現生人類は海岸を行動したのみならず、当時の環境を考えると生活はムリと言われていた熱帯雨林(最近、スリランカで4万年前の遺跡を発見)の洞窟にいたことから、食料に適した動植物の取得が難しい地域で、計画力と人工技術をもってで暮らせる識能を有していたことが注目されるとしています。

正に私たちの揺り籠と言われるスンダランドで想定されたとおりの遺跡・遺物の発見で、北上して日本列島を経てアメリカ新大陸までの繋がり説が補強されています。アメリカの方は、進入してから早い速度で南米南端まで舟で達したと考えますので、環太平洋移住Migration along Pacific Ocean Rim-MPOR説が、はっきり補強されたと思っています。ところで、マロスにしてもLida Ajerにしても日本の学者こそ中核で貢献してほしいですがオーストラリアがリードなのです。貴重な学術予算で意義の少ない「戦時契約慰安婦」の研究がなされているようなことは、誠に残念です。ともかくスンダランド史から子供に教え、政府はウポポイ予算も含め、環太平洋TPP歴史考古研究に予算を投じて国際研究を進めてもらいたいものです。

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