第1図、米ワシントン(東部の首都はDC)州のオリンピック公園は、1788年、イギリスの海軍軍人ジョン・ミアズ(John Meares)がChinaからの帰還の際に北米太平洋沿岸を探検して、この山脈の沖を通ったとき雪を冠した山並みの神々しさに心を打たれ、ギリシャの「オリンポス山」にちなんでと名づけた山の公園で、太平洋を挟んで言わば北海道の太平洋“対岸”にあり、その森の景色は北海道だと言ってもそうかと思う似たものです。
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それは何千万年も前からベーリング地峡を通じて生物の行き来があり、鳥は通い、関係があるからなのです。第2図、海峡からハワイの方に縦線を引くと、鏡に映ったように両側で昆虫などの類似性があることを北大の大原教授が指摘しています。さて、現生人類拡散史の「最初のアメリカ人」問題ですが、3~1.7万年前頃、可能性として北海道からベーリング地峡に登山し、オリンピア公園の方に下山したと思えば理解し易いです。当時からは100m近い海水面の上昇で痕跡発見は難しいですが、アリューシャン列島の舟の使い手の海の民の暮らしは有名です。
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内陸ではそれを窺わせる遺物がどんどん発見されてきていて、公園南方のオレゴン州境の東進するコロンビア川を1.6万年前頃に遡った痕跡があります。
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北海道とオリンピア公園の関係を子供に、世界のお客様に教えましょう。実は欧米先生は、子供の頃に学んだロンドン中心世界地図では、此処は両端に離れた一番遠い所のイメージで苦手なのです(その教え子の日本の多くの先生も)。