米ルイスビル大が、人類が欧州西端ポルトガル大西洋岸に到達したのは4.1~3.8万年前だと発表(9月28日)しました。これは、アジアの東端である日本の北部九州到達と奇しくも正に同じ時期です。
現生人類はアフリカで誕生し、出アフリカそしてユーラシア到達地域からの「出立」で、人類の初期移住は、①南、②北、③欧州ルートがあり、移住速度が早かった南、寒冷への適応の北、ネアンデルタール旧人対応の欧州ルートという主な特色があります。今回の発表で、欧州ルートは、東南部ブルガリアに着いてからは2~3千年というスピードで西端に至ったそうですから初めがゆっくりだったのは旧人が居たからでしょうか? 逆に、北ルートは、必ずしも歩みがはっきりしませんが、アフリカ人にしては早かったとすれば、旧人から衣食住についてよく学び改善したのでは思わせます。
さて、日本祖人ですが、スンダランド~豪州へは学者を驚かせるスピードでしたが、考えれば緯度がアフリカ出発地域と同様ですから当然ともいえます。そして、スンダランドからの北上は、やはり天候気象、動植物相が違いますから期間を要し、海の越える事にも期間を要したのでしょう。北海道へは明らかに降雪寒冷環境変化への対応に期間を要したのでしょう。ここで日本ではこれまで無視されていますが、図のように北海道からの北上継続が時期的には南下より先で、かつ、世界人類史的には重要です。さて、北と南からベーリング地峡に向かいますが、現在、米臨海地域の最古の遺跡は1.5万年前です。
最近のOxford大の発表で、最初のアメリカ先住民は、3~1.7万年前からとぐ~んと幅が広がっていますが、沿岸から舟で、です。
北、南、いずれのルートか、各々がどのように関わっているのか、注目です。世界には良く知られていませんが、言語学的には、南ルート(元日本言語学会長 松本克己博士)なのです。
コロナ自粛の読書:「脱線の海道」:http://www.sunda-wind.net/news/8663