コロボックル、DNA分析・発掘遺跡から考えよう!

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明治時代のコロボックル論争の先達は、DNAなどは全く思いもよりませんでしたが、人類史が「熱帯・南方」地方(坪井)から北上した数万年(清野)の長さ(第1図)のものであることに気づいていました、不思議な凄さです。 日本人は「列島内で生成された」 と考えていたことも驚きです。

が、現生人類がユーラシア旧人が居る所に一旦北上して、寒冷適応を果たした子孫が強い勢力となって南下して来た「go-backで行き来した歴史」であることまでは分からなかったでしょう。尤も、今でも大陸・半島からモンゴロイドが南下して来た一方向しか意識しない人が多く、日本列島人の始まりに、北(沿海州・樺太)から西(ユーラシア内陸)から南西諸島方向ルートからの3方向と描いている 博物館などがあり、 ①次いで②という北上史をしっかり認識しない不思議です。

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南方からと違って北と西ルートは、出アフリカ後の4~3万年前のルート痕跡もなく、そこにどうやって来たのか(寒く大変な内陸移動でなく、沿岸から上流に河川遡行したのではないのか)、また、時期が違うものをミソも何も一緒に描いて歴史考察上の問題はないかと考えない不思議です。刺身を食べ、次いでご飯を食べそして冷やっこを食べるのと、一つの椀に3つを入れ混ぜて食べるのと全然違うものであることが分かっていない事と同じです。この日本列島史始まりの2万年強は、文化形成上非常に重要であり、その後の外来文化の取捨選択・換骨堕胎の元になっているのです。

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さて、アジア人の親子を今も新・旧モンゴロイドと雑に呼んでいる問題があります。第1図の出アフリカ黒人が東進して、親である原アジア人の「インマレイド」(原初Sundaland地域人)になってから緯度の北上には長期を要し、寒冷適応して子の「モンゴロイド」となって再び南下展開して來た(欧アの東西展開も含む)人類史は、基本的に「北上後の南下混合史」(欧州正面も)なのです。親に注目せずに2代目の子供である南下モンゴロイドに「古」を付した雑な命名は、モンゴル・ジンギスカンに心底驚かされ、Chinaを意識する欧州学者の偏見であり、人類史の認識を大きく過つ元です。更に、第1図を見て分かるように図東端の日本~台湾~フィリピン(比)は、欧州学者の目には無視され勝ちで、第2図、 太古を考える上で必須の半分沈んだSundaland大半島、北東ア平野・曙海、花綵(はなづな)列島(沖縄・与那国島~千島、アリューシャン)、「米臨海」などを人類史の重要ファクタ-として意識していないことをも示しています。

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従って、第2図の男性遺伝子Y-「D」グループの痕跡が、アンダマン・チベット・日本列島・カムチャッカ半島南部に何故残っているのか関心もなく説明もできません。出アフリカ後、横方向に展開して世界の学者が驚く速さで第2図のオーストラリア(豪)に数十kmの海を越えて展開しましたが、気温変化の少なかったことと沿岸の移動し易さが大きな理由で、沈んだSundaland大半島が正に「人類史の補助線」として注目されます。その大半島から北上し、大陸沿岸・比~台湾東部沿岸5万年前~北東ア平野沿岸~九州・日本列島北上~カムチャッカに長期間かかって展開して行った訳ですが、確かな人骨・遺跡で線として繋がらないために学説として言えていない学会事情もあります。

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この点で我が日本列島区間は、約4万年前から3万年前までに九州から北海道まで北上展開したことが1万件を超える遺跡で導かれており、世界史上で重要なのです。そして更に今、32,000年前の北海道「日本祖人」が、カムチャッカから米臨海の沿岸を舟でアメリカ入りし得たことも人類史の大問題「最初のアメリカ人」を巡って重要であり、引き続き太平洋東沿岸を南米南端まで展開した事(MPOR説)もムリなく考えられるのです。現在発見されていなくても、諸事象から推測して太平洋西岸の北上、東岸の南下、 そしてMPOR などの「説」を考え 唱える以前に、考えるための コト・モノの新しい適切な名称を新作することに学界は余りにも慎重過ぎます。子供たちはこのような問題意識も、先達からの学説史も、世界の新説動向も何も教わっていないのです。

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従って、最近、「インド太平洋構想」とか、「自由貿易の環太平洋TPP」とか新し気に言ってますが、数万年前から先祖は既に歩んでいた流れが第2図からよく分かりますよね、温故知新。

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