最近、最初のアメリカ人は、第1図の太平洋岸の昆布ハイウェイを舟でやって来たと定説が替わり、分岐点ジャンクションのコロンビア川地域では、アメリカ最古の石器・糞石・人骨などが注目される第2図A地区ですが、別の点でも興味深いです。米大陸は、5~4千万年前には欧州やシベリアと繋がっていて、タイガー、馬、鹿などが入ってきており、やがてはマンモスも来ています。
ところで第3図の古くから居るピューマですが、赤道付近の暑い所では小型 で、寒い所では大型というA,B,C区分のベルクマンの法則どおりです。しかし、万年前でも新しい北米の人間は高緯度のA地区でも小柄であり、言わば入って来たままで法則と違います。もっと新しい極北のイヌイットなどは熱放射を少なくする高い座高・短足という第2図の別のアレンの法則が見られます。
イヌイットよりもずっと古いA地区の人たちは、小柄で舟で入って来てますので、「日本祖人」は有力候補なのです。
上図の南米は基本的にはベルクマン法則ですが、沿岸が不明なのが興味深く、小柄であれば正に「日本祖人」などの南下でしょう。古いシベリア人が、ベルクマン法則に従っていたのか、それともアレンの法則なのかはよく分かりません。因みに、北から入って来たアイヌの伝承では、北海道に古くから居た小人が追い払われたように伝わっていて、明治時代には学会の大論争になりました。データが沢山加わった今、このアイヌの伝承の小人には、最初のアメリカ人問題で、再び光が当てられるべきでしょう。