アイヌの人権尊重と歴史学問を分けて考え、「先住」は誤解の元ですので外しましょう。
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世界が注目する「最初のアメリカ人」は、ベーリング地峡の南岸からアラスカ・カナダ・米本土の北太平洋沿岸の「昆布ハイウェイ」ルートで来たと考えられています。従って、問題は、A.北海道からか、B.シベリアからか、となります。
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現在発見されている遺跡状況は上図のとおりで北海道が古いです。そして、シベリア東部の冬は、今でも-60℃で死者が出ています。地域の痕跡で注目はアリューシャン列島で、食が豊かであった事、遺跡9,000年・石器から辿れるのは12,000年前、そして、厳しい操舟力の鍛錬と高い防水の技術に見られる造舟力であり、シベリア内陸のマンモスハンターとは、はっきり違う「海の民」です。北海道は、南・東部の各地に3万年前の「日本祖人」(縄文人の先代)から生活痕跡がありますから、最有力候補と考えられます。北海道大学のDNA分析で鎌倉時代頃からとされるアイヌを「先住」と呼ぶのは世界に誤解を与えます。現存DNA的には、内陸シベリア系が優勢ですが、歴史的には「環太平洋海の民」の文化が基層と考えられるのです。何しろ「日本祖人」は、世界の歴史学界が驚く37,500年前から、舟で黒耀石採取に20km以上の黒潮分岐流を越えて伊豆神津島を行き来していた「海の民」でしたから。
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(了)