下左図・南アフリカ沿岸洞窟で赤オーカークレヨンを使い描かれた石が発見され、人類がサルと全く異なる知的生物になっていた事として、AI時代の世界的な話題です。
森で暮らしていた類人猿だが、寒冷乾燥化の環境変化で①サバンナの食が乏しく野獣の居る危険な地に適応した第1世代、②沿岸で海産物も食し知的能力を開花させ出アフリカを果たした第2世代、そして、③家族で40km以上の海を越えて処女地に移住した第3世代(豪・日本など)という訳なんです。
欧米学界には海の視点のこういう論は無いようですが、注目すべき事でしょう。下右図・4万年前頃の信仰・食料獲得・出産などを考えれば、爺さん・婆さんを残して若夫婦だけで渡海したとは思えません。そして、①親族個々に舟(筏)を造り、漕いで渡った、②渡海させる専門集団が居て舟造りと海を恐れぬ家族の輸送に当たった、の2通りが考えられますが、このいずれも当時の特段の知的能力を必要とする画期的なものです。仮にこの時代の②なら、カール・マルクスが腰抜かす、「大井川の渡し」の及びもつかない、謝礼代価は何だったのか、などという社会的な事象ですから。
此の後、「日本祖人」が3.75万年前頃から、黒耀石採取に伊豆諸島を舟で行き来していたのも納得です。 南西諸島方面は、何と言っても海の上で数日暮らす慶良間ギャップの渡海がムリだったでしょう。
確かに石にクレヨンで描くのも凄いですが、この時代の渡海は、人類先史オリンピックのメダル級でしょう。学校で教えないのが不思議です。
(了)