欧州で続く大問題は、ネアンデルタール人(45~3万年前)と現代の人々との関係は何であったのか?です。
そして、最新の研究結果では、ネアンデルタール人と現代に繋がる現生人類には、はっきり交雑があった(6~3万年前の間の共存)というものです。
即ち、欧(米)人の血には何%かのネアンデルタール人のモノが入っているということです。
ネアンデルタール人は、体つきや脳の大きさはむしろしっかりしていて、言葉も舌・喉構造からある程度発声できたし、埋葬も見られました。
が、流石に洞窟絵などは無く(舟を漕ぐことも無く?)知力の点で劣ってましたから、寒さ環境への適応力が不十分な自滅だったという事のようで、3万年前頃に絶滅しました。
つまり、現生人類との闘いに敗れ去ったというそれまでの史観が覆って来たようです。
ところで、アジアでは、ネアンデルタール人に相当するデニソワ人が、豪州先住民に4%くらい混じっていて、こちらでもこの問題は注目されています。
他方、3万年前頃と言えば、下図のように日本では鹿児島・姶良の大噴火が特に西日本に大きな影響を与え、火山灰の痕跡は東北でも発見されています。寒さも厳しかったでしょう。
逆にシベリアのマンモスなどは温暖化によって20時間は食べ続けないといけない寒冷乾燥地の草が減り、冬は湿り雪の吹雪で折角の毛が濡れて凍るなどにより絶滅に至ったようです、無論、人間の狩りも影響したでしょうし。
絶滅と言えば、6500万年前に海岸付近(運が悪かった)への彗星の衝突により舞い上がった塵が太陽光を遮り、恐竜を絶滅させたという話も理解しやすいものです。
さて、再びネアンデルタール人話です。
7万年前頃のインドネシア・スマトラ・トバの大噴火は、世界史No1級の大変なもので火山灰はインドでもしっかり発見されています。
当然にして年単位の寒さがもたらされたでしょう。7万年前頃はそれでなくても、東南アジアSundalandが海水面低下で地上に現れた寒さでした。
トバ大噴火せいだったのか、それとも更に加わったのかはよく分かりませんが。
この7万年前頃(現生人類は、欧州に未到着でした!)を生き延びたネアンデルタール人が、最寒冷期LGM2万年前頃でもない3万年前の寒さを生き延びれなかったという説明はちょっとなあ、なんです。
我が「日本祖人」は、狭くなっていたとはいえ、降雪寒冷の北海道に入って行った頃だったですから。
やっぱり自滅じゃなく、現生人類との食料獲得の闘いに敗れ去ったんじゃないですか?
欧州先生、インドネシア・スマトラ7万年前頃や北海道3万年前頃にもちゃんと目配りされてますか?
(了)