年の初めに最新の人類史をまとめてお知らせいたします。
万年前の歴史は何処にもはっきり書き残されてかれているわけでは有りませんので、研究者が発見した遺物を種々の年代測定法で正式に鑑定したものの検討を経て、論文や専門科学誌などで紹介されます。
私たちに直接繋がる現生人類について、アフリカ北西部のモロッコで30万年前という発見が昨年有り、現生人類の真の出現時期、場所に関心が向かっています。
このこともあり、ユーラシアへの出アフリカの時期、場所も依然としてはっきりしません。
出アフリカ後につきましては、豪州北部における調査が続いていた遺跡で6.5万年前という報告がありました。
また依然として、そこへは家族が数十kmを舟か筏で渡ったものと考えられていますので、そういう点では世界最古です。
此の点で、インドネシア東部地域(Sundalandの東方海域)において、入り組んだ海岸線、島、サンゴ礁、マングローブでの暮らしが準備行動(Jared Diamond説)であったのだろうというのは納得です。
東チモールでは、世界最古の外洋魚の釣りなど海の民の暮らしが見つかっていますし。
日本へのルートは、①ユーラシア東側と②フィリッピン経由ルートの2つが考えられますが、九州へ渡海した状況から、前述のこともあり私は海の民のフィリッピンルートにも注目しています。
まあ此の大昔は、沿岸の民は似たような人たちであったのではと思いますが。
注目すべきは、アメリカへ渡って行ったと考えられる環太平洋ルートにおいて、日本列島においては、入りと出の時代がはっきりしている(約1万年間)ことが意義深いです。
また、日本列島への初渡来を考察すれば分かりますが、家族で曙海を越え、島へ渡って行っているノウハウを持った海の民です。
従って、渡来後の早い時期に伊豆の神津島で黒耀石を取るために外洋を少なくとも10数km舟で行き来し、南関東・伊豆地域で広く交換していたことが不思議でなく特筆され、世界で注目されています。
流れの激しい黒潮の内側本土寄りだったのが、ラッキーだったようです。
当サイトでは、始まりの日本祖人が、環太平洋をアメリカ大陸に移動・移住したというMPOR説を唱えていますが、当時の環境、祖人の状況の更なる分析や渡米に関わる遺物の(奇跡的な)発見などを期待しています。
戌年であり此処掘れワンワンで、考古学分野における貴重な品が発見されますよう切に祈っております。
(了)