4万年の日本史の始まりを探る者として、近年のDNA分析法はどういう体つき系統の人たちだったのかという分類が分かり大変参考にますが、万能ではないです。
分かるならばどういう心根、信仰、暮らしの習俗だったのかなどが重要です。
例えば、アメリカにいる日系5世は、米語しかしゃべれず、キリスト教徒で、ハンバーガー大好きで生魚や海藻はムリとなれば、DNAが似てるだけでは何ともなりませんね。
そういう点で、暮らしの言葉がどうであったかは極めて重要です。
ところが、出アフリカの黒い肌が環境で白い肌に変わるのが一説に8千年くらい、言葉の近縁性は5~6千年で失われると言われてますから、万年前を探ることは、一部は消えていき新旧は重なり合い、全く容易ではないです。
さて日本語は、ウラル・アルタイ系、いやタミルと近いなどの説が出ていましたがどうも違うようで、百年間探ってもともかくぴったりこれというものが見当たらない孤立系だそうです。
しかしそこで、従来の言語分析法でない、人称代名詞の共通性など幾つかの言語学上のファクターに基づく近縁性のチェックと現生人類の進出・移動・移住のDNA分析などで、万年の昔を総合的に検討していく方法論の転換があります。
これによりますと、下図のように、ユーラシアは大きな2区分A、Bとなり、日本語は括りとしてはA環太平洋だという新説(松本克己先生)が出ています。
因みに我がサイトは、環太平洋移動・移住MPOR説ですので、素人の勝手な理解ですが納得です(区分の細部の線をどう引くかは少し差異がありそうですが)。
そして、環太平洋言語圏のアメリカ太平洋語群は、先ず最寒冷期LGM前にa環日本海諸語系が入って来て、後に温暖化してから影響力の強いa’bシベリア東部の系が入って来たのだろうというのが、移動・移住の流れからの我が理解となります。
逆に、言語面からの多様な分析でそれに関することが導かれれば、逆に移動・移住の時期やルートなどを探る更に確たる手掛かりが得られるかもしれません。
そもそも、最初の出アフリカ部族は、1回、せいぜい千人内外とも言われていますので最初は皆、似たような言葉だったのでしょう。
その後、5万年前頃ともいわれていますが、飛躍的に現生人類の脳力がアップし、洞窟絵を描き、小像を作りといった画期的な生活文化の向上があったようです。
バベルの塔などという神をも畏れぬ歯向いのため、相互の言葉をバラバラにされたという寓話は興味深いです。ユーラシアで、2,000以上も言葉があるようです。
(了)