(2022人類史最前線) 「最初のアメリカ人」問題、道東「祖人」は参加標準を突破!

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図左シベリアからか、アムールからか、道東からか、ベリンジアにおけるそれらの複数の混合か?(元日本言語学会長・松本克己・言語学的には、対象は環太平洋系のアムール、道東)。また、米新大陸の大氷床通過は、ユーコン川沿いAからか、アラスカ湾沿岸Bからか。2022年、DNA分析と遺跡・遺物の分析で未だ解明・合意のレベルには至っていません。

ニューメキシコの2.3万年前の足跡は誰で、どのように、はDNA分析・考古学で解明と合意に至っておりません。ルート論は、その移住時期区分が重要で、新旧を混在させると誤解を招きます。ここで道東は、3.8万年前の本州遺物等、北海道拡がりは3.5万年前後で3万年以前の帯広「若葉の森」遺跡などから、はっきり候補です。次に図中の模式図によれば、最終の氷河期でしたが、寒気が和らいだ時期―山、厳しかった時期―谷(最低は最寒期LGM)があり、その山と谷の時代でも気温が変動していたことが特色です。山の時代に北上してきて北部九州に家族で渡海し、祖人Sojinが拡がったのが列島史の始まりで、次代縄文人へと続きます。「最初のアメリカ人」は最寒期LGMをはさんで2回の通過が考えられ、これまでは#2通過が始まりとされていますが、2.3万年前のニューメキシコ足跡問題については最初の#1通過説となり 、(登場していない)“Jomon”ではなく祖人が、また、ユーコン川沿いが浮上し地域の古い遺跡に光が当たり、最寒期前の氷床融けの回廊開放説が登場しています。そして、この足跡人が現在のアメリカ先住民に繋がるのかどうかも課題です。

問題は現在まで、ベリンジア地域において1.5万年以前の遺跡・遺物が発見されていないブラック・ボックスとなっており、また、最寒期以前の人骨データも乏しいことで、これまでの#2通過説者も依然存在しています。そこで関連情報ですが、図右、1946年でも北極は大きく、周辺の氷の状況と厳しい寒気が分かりますが、環境適応の北極圏のエスキモーの移住はずっと後の図中の新石器時代の#3進入です。気温が変動していた最寒期以前の寒冷緩和期はどうだったのか、また、メキシコ暖流やエルニーニョの影響などでは海辺の方が緩和され、考察に関わりがある諸要因でしょう。そもそもの問題設定(2.3万年前の足跡)への合意を含め、年代較正を適切にして時期認識を一致し、諸説を踏まえた実証の探求へという時代であり、日本人の始まり祖先の解明に関わる重要な課題なのです。生徒・学生に紹介を。岡山国際シンポジウムに続く、更なる国際共同研究の推進を。


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