昨年9月のニュー・メキシコにおける足跡が、2.3-2.1万年前という「最初のアメリカ人」を数千年遡らせる衝撃で、世界の学界は今も沈黙です。
前回報告のようにミトコンドリアDNA日本最古のBグループに注目すれば、実は人類史の移住の歩みが、沿岸ルート第1波でアンデス高地にまで至った事が見えてくるのでした。世界の学界は、最初のアメリカ人論議において、1.渡米して行った人々は、未だ降雪寒冷によるモンゴロイドMongoloid化していなかった南方インマレイドInmalaid系であることをしっかり意識せず、雑に新旧全てモンゴロイドと呼んでいる誤りのために見えにくくしています。また、日本列島史も巷間の誤り3方向(北・西・南)渡来図でなく南方からの北上史であることを認識せねば、真実に近づけません。2.北海道祖人Proto-Japanese Hokkaidoの用語が無いために3.5-3万年前から北海道史を語れず、充実の祖代・旧石器遺跡の史的意味合いを未だ解明できていません。このために世界に重要な内容が発信されず、世界学界では、史実痕跡の乏しいシベリア東部人の渡米イメージが未だ主流でしょう。3.Ainuが鎌倉時代・13世紀からで、この検討には全く無縁であり、歴史的な先住民で無い事もよく認識されていないため、今持って論文にアイヌを言及記述して恥をかいている学者が後を絶ちません。日本国会・政府の新法は、誤解を拡散している罪深い事です。
4.世界、特に日本では、「最初のアメリカ人」問題が日本列島史に関わる重要な事が認識されておらず、沿岸ルート第1波、無氷回廊、Kelpコンブハイウェイ、モンテ・ヴェルデ遺跡などの重要用語も全く学校で紹介されていない周回遅れです。特に、光が当たる南米はいまだ研究が不十分です、日本が国際共同研究を主導し、世界に貢献するとともに、日本列島史をさらに解明すべきです。