前回の顔話の続編です。1図出アフリカの現生人類が東進して、海辺・熱帯雨林等の暮らしから、東南アジアSundaland地域でA「インマレイド」に変化し、その後、高緯度へと北上(環太平洋系)し B 大陸系を混じえて寒気・降雪・強風で顔・身体が大きく変化し C モンゴロイドに。そして、一般的にこの大陸系モンゴロイドが、ベーリング地峡からマンモスを追って入って来たと長く考えられてきました。
これらA、B、Cが「最初のアメリカ人」First Americansに関わり、現在ではベリンジア南岸の一時的列島(Temporary archipelago:英ケンブリッジ大等チームが命名))から進入し、北太平洋沿岸を南下しました(基本①)。図2当時の北米大陸は、厚い氷床(最大時2-3km)に覆われていましたので、無氷回廊は開かれておらず、今に至る大陸モンゴロイドの大きな影響に惑わされますが、沿岸・昆布ハイウェイのルートよりも後の進入だっただろうというのが新説(基本②)なのです。これらを踏まえて、アメリカ新大陸の発掘復元の顔を考えると、万年前のロス・テキサス女性やまあケネウィック・マンも大陸系・モンゴロイド(BC、朝青龍の祖先)の影響をあまり受けていない環太平洋系(祖人・縄文人含まれる)の顔であり、その後の米先住民インディアンの例えばシッティング・ブルの大陸系・モンゴロイドの影響を受けたキツめの顔とは異なっている(基本③)ことが分かります。これらの事から、ロス・テキサス女性よりも古い、オレゴン州で糞石を残した人(1.6-1.4万年前)、ニューメキシコの足跡子供(2.3万年前)はインマレイド環太平洋A系となり、沿岸北上A-1の祖人(次代が縄文人)は有力候補なのです。無氷回廊が開いた後に入って来た大陸系、モンゴロイドの今に至る影響力が大きく、また、何でもモンゴロイド(新・旧)としてしまっている欧米学者には、これらのことがよく分からないようですが。
なお、1図北上Aのみならず東進Bの影響もあるとみられる複雑なモンゴロイドC化及び東西進・南下は、最寒期LGM以降で比較的新しいとみられています。ともかく「最初のアメリカ人」は、1.北太平洋沿岸からの、2.モンゴロイド影響のないインマレイドA北上の環太平洋系で、3.時代的に北海道祖人Proto-Japanese Hokkaidoは有力候補であり、4.米の足跡子供は日本祖人と、オレゴン「糞石人」は時代的にまあ縄文人と同系である、ことなどが導かれるのです。何でも「よく分からない」として無視し教えないのは、今や周回遅れの大きな問題なのです。北海道・日本の状況を世界に発信、子供に教え、国際共同研究の推進を。