ヒトは複数の人の間で人間となる社会的な動物と言われています。
人類史をみますと、血の繫がった家族を核に小血縁集団(バンド)を形成し、その複数が共通の祖先を意識する氏族を、更にはその幾つかのまとまりで部族社会として統合され階層も生まれます。
そして、やがて地域としてのまとまりは、ムラやクニ、日本の藩や王国、整った近代的な官僚制を備えた国家社会が成立し、EUや国連もできています。
一部の人は余程、国家というものが気に召さないのでしょう、国家は国連のような地球社会と各地の地域社会に発展解消するべきと唱えています。
確かに世界地図を見ますと、明らかに不自然な直線で部族社会を分かち国境としていますので、争いの元ともなり大きな問題ですが、仮に引き直すとすればとてつもない争いの問題に発展するでしょう。
我々のこの北東アジア地域において、見通しうる将来に国家という組織形態、即ち国パスポートが無くなるとはとても思えません。難民問題の難しさを見るにつけ、国パスポートを無くす方向が良いのだとも一概には言えないでしょう。
いずれにしても、現在、そのパスポート、国籍を踏まえて人々の帰属集団が明らかになり、税を納める一方で生活保護を受けたり種々の利益・便宜を享受していることを想起する必要があります。
今回、政党のリーダーを決める国会議員の代表選挙を契機に二重国籍問題が浮かび上りました。
標題としていますリンカーンの言葉は、教室では人民の、人民による、人民のための政治と訳されていますが、憲法を踏まえれば、日本国民の、日本国民による、日本国民及び日本国のための政治と意訳すべきです。(人民が好きな人はお隣に行って下さい。)
今回、まずこの日本国民、「日本人」とはという問題で法的な論議があり、更に議員、政党のリーダーになる資格はという資質を問う問題に拡がっています。
このことは、かっての民主党政権時代に今回の代表選候補の前原さんでなく、蓮舫さんが外務大臣をしていたらと考えるだけで問題の意味合いは明らかでしょう。
(日テレNEWS24)
法務省は15日、民進党の蓮舫新代表のいわゆる“二重国籍”問題に関連して、一般論として日本国籍取得後も台湾籍を残していた場合、二重国籍状態が生じ、国籍法違反に当たる可能性があるとの見解を明らかにした。
つまり、立法に当たる人の違法性が問題になっている深刻な事態です。
また、法務省は、台湾出身の人に中国の法律を適用していないとして一部のマスコミの誤報をたしなめていますが、驚くべきメディアの偏向した体質です。
実は今回浮上した1件の別の大きな問題は、日本国籍を正当に有しない、百歩譲って疑惑状態だとしても、そういう人が大臣にさえなってしまうのだから、他にも沢山いることが考えられ資格の疑わしい人が投票所に行っているということです。
地域ごとの1票の格差が違憲状態として長く国会の問題になって対応を協議していますが、日本国民かどうかはっきりしていない多くの人が投票しているだろうという疑惑は、憲政の根幹を揺るがすものです。
服装の乱れは生活の乱れ、生活の乱れは人格の乱れになります。法の乱れは犯罪に対しマヒさせ国の乱れになりますから。
そしても一つの問題は、法の筋ということよりも党利党略という点です。
他党が、自分のところにも問題はあるから、あるいは傷を抱えた他党のリーダーの方がやり易いということで曖昧にするなら、政治不信につながる大きな問題です。被選挙人は、当然、選挙する多くの投票者よりも重要ですから。
権力である与野党の政治家同士は資格などを追及しない永田町体質、マスメディア同士は不祥事などをお互いに報じないということは既に問題として指摘されてますが、特に、公共の放送が野党に甘い、野党を露骨に支援するというサヨク問題があります。
それらが何故問題なのかは、国民に不信をもたらし国民が作り上げている社会を蝕み弱体化することです。外敵に壊されることもさることながら、内部が崩れていくのは深刻です。
多くの文明社会や帝国は、外敵に滅ぼされたと書かれていますが、実は内部が立ち枯れのように腐っていたというのは人類史に多く見られることです。
議員、法及びその解釈という民主制にとって重要なものの乱れは、そういう意味で屋台骨を揺るがすものであり、21世紀を迎えた今、政治とメディアの体質の近代化が求められていると考えます。
蓮舫さんは、第2の小池さんを気取る積りですが、資格を欠く点において決定的に異なり、日本政治のクリーン化による近代化に向かっている状況で、スネに傷があって政治ゴロと同様なため、彼らを排除して”ステーツマン(パースン)による政治”の実現に力を発揮できない、いやむしろ邪魔なのです。
ステーツマンがリードする、国民の、国民による、国民と日本のための政治を行う議場にスネキズ蓮舫さんの居場所は有りません。
(了)