第1図、Sundaland/インドネシア・スマトラ島のLida Ajer遺跡で発見された人の歯の分析から年代が推定され、またスリランカでの発見よりずっと古い熱帯雨林への適応も確認されました。現生人類の出アフリカから、東進して印~Sundaland~豪州、北上して台湾山地沿岸~北東ア平野沿岸~渡海して九州(約4万年前)~北海道・沖縄(3.2万年前)です。
西太平洋沿岸の人々の渡来による、列島における一方向性の北上拡がりと時代の長期さ(約2万年)から基層の文化・習俗と言ってよいでしょう。そして第2図、注目の「最初のアメリカ人」に関しては、先住NativeインディアンのDNA分析から、2.5-2万年前からベーリング地峡で滞留暮らし(Standstill)の後、温暖化した18,000年以前に舟で昆布ハイウェイ沿岸から南下して入って来たと考えられています。従ってシベリアからだけでなく、舟は得意の北海道「日本祖人」が食豊かな処女地に北上を続けなかった理由もなく、ベーリング地峡に参加した候補です。さて第2図下、現生人類のアフリカにおける誕生(30~20万年前)から南米南端に到達するまで、「いつ、どこ、どのように」が一応描かれることと成りました。なおこの中で、Sundalandからの時計回り環太平洋の移住を「MPOR仮説」として提唱して来ていますが、痕跡が増えており有力と考えています。