ここのところ、アジアの楽園Sundaland西方の南インドのタミルTamilについて、追ってきました。
A.南インドのチェンナイChennai遺跡地区のアッティラムパッカムAttirampakkamで、インドとフランス合同チームが150万-100万年前(*前期旧石器時代)の石器を確認しました。
*前期旧石器時代:ハンドアックスがひろく用いられた時代。この時代の人類はホモ・ハビリスおよびホモ・エレクトスが主流であった。
発見された石器等には、中石器時代の物もあり、12万年前頃まで継続的に類人猿が暮らしていたとみられます。
B. このことから、南インドには、ジャワ原人や北京原人より古いとみられる原人の時代から、新人の現生人類がアフリカを出てユーラシアに渡り海浜を東進した時代まで、概ね痕跡を辿りうる驚きの継続性が確認されたことになります。
この確認により、インド先史特に南インド先史は、見直されるべき世界人類史的な意義を有するものです。
1.遺跡の調査
1863年、チェンナイ北西で英人Robert Bruce Footeらにより旧石器時代の遺跡が発見されました。
近年、インド、フランス隊により12年にわたる困難な発掘調査が続けられ、3,528点の遺物が収集されました。
それら遺物がアフリカや西アジアで出土したものとの類似性が認められ、遺跡最古の年代が確認されるとともに12万年前ころまでの極めて長期にわたる継続的な痕跡が確認されました。
(Attirampakkam: Sharma Center for Heritage Educationから)
確認された石器等は、下図のとおりです。
(Ithihaasaから)
2.発見の意義
60万年前頃の遺跡が発見されている欧州はもとより、ジャワ原人や北京原人よりも古い原人の生活の痕跡が発見されたことになります。
欧米では、文化、文明は西からアジア、東南アジアに伝わったという見方が依然牢固としてあります。
しかし、英中部Sheffield大の上級考古学者Robin Dennelは、4年前の時点で既に石器製造文化は欧州よりもインドの方が早いという認識の見直しを主張しています。
インド南部の東沿岸のチェンナイ(マドラス)という海浜の地域で発見されましたことは、私にはこれまでの人類の進出展開の認識、タミルの重要性を裏付けるものと考えられます。
そして、このような発見と日本での新たなまた別の発見をともに並べて考察します時、日本人にとって意義深い重要なことが事が見えてきます。
次回、考察を進めます。