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出アフリカ後の現生人類の東進・北上ルート上の中国南部で発見された現生人類の多数の歯Gigi kuno ditemukanは、欧米ではアジアと欧州の比較という波紋を生じています。
Pemunculan soal perbandingan tentang dua rute yang awal manusia modern menyebar, yaitu ke Asia dan ke Eropa.
下の図において、中国南部で8万年前以上となりますと、欧州は何故4万年もアジアより遅れたのだろうかという点に関心が向かっています。(8万年となれば、私の認識では5万年くらい遅れたこととなります)
今回発表した人たちも、調査後の帰りの飛行機内で虫の羽音のように騒がしく次のようなことを言い合ったと述懐しています。(Nature誌)
A.欧州人たちは、先行アジア人の末裔なのか?
B.欧州の展開が遅かったのは、
a 既にいたネアンデルタールNeanderthal人(との争い)のせいか?彼らが寒さのためいなくなっていったので、ようやく展開しえたのか?
文化的、生物的に劣っていたというネアンデルタール人に対するイメージを変える必要があるのではないか?
b 熱帯的な現生人類が、欧州の寒さへの適応に時間を要したからなのか?
これから、いろいろ議論が続いていくことになると思います。(ホントに8万年以上前なのか、という疑問を持つ人も出て来るでしょう。)
そういう新たな視点でこれまでの資料が検討され、また、更に新たな資料が発見されることを期待しています。
他方、
アジアの楽園SundalandやタミルTamilという、出アフリカ後の東進・北上ルートを追っています私は、彼らの議論に加え少し違う見 方を持っています。
1.そもそも出アフリカを果たした部族は、水産物をも食する、水を厭わない新種の人たちBangsa laut baru pada masa perbaだったと思います。
虎やライオンはもとより、近縁のチンパンジー、類人猿とも決定的に違う現生人類のこの生き方の特徴(水中適応の身体痕跡)が、何故、いつ頃、獲得されたかということに人類史研究はもっと目を向ける必要があると思います。
(キッズアドベンチャーから)
当時は海水面が130mくらい下がってましたので、アジア正面では遠浅の海浜とマングローブが拡がり、河川も多い地域で魚や貝など水産物は豊か、移動も容易でしたし、トラも海の中までは追いかけてきません。
欧州内陸は道なき道か開闊地で、危険な猛獣や毒蛇・虫なども多く、大変だったでしょう。
2.同緯度の展開が容易です。
やはり初期の人類の展開は、同緯度の発展が容易でしたでしょう。そして、海浜と気候に適した広大なアジアの楽園(インド大陸の2倍)が在ったことは幸いしました。
出アフリカ後の人類が、言語等の画期的な進化があったとみられる5万年前頃以降は、特に舟・筏も使って海浜から河川にも発展し大いに人口も増大していったことでしょう。
さて、
欧米の人たちは、ネアンデルタール人に目を向けるのもいいですが、現生人類の祖先を育んだ海辺の道やアジアの楽園Sundalandが人類史に持つ意義にもっと目を向ける必要があると思います。
(海浜や楽園陸地の過半がその後に海没し、また、海辺や熱帯地域では遺物等が残ることが難しいことは認めますが)
次は、現生人類の発展に幸いしたこのアジアの楽園Sundalandについて考えます。