文明の原点を探る(4)―タミルに注目Tertarik Tamil !

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出アフリカを果たしました現生人類の東方への展開におけるアジアの楽園のSundalandに至る前、前回お伝えしましたようにインド亜大陸地域の文明が明らかになってきました。

図1

人類の進出展開10.23peg

それは、ドラヴィダ族の万年に遡る広域かつ石器から青銅金属器にまで至る長期にわたる文明であり、かつて教わったインダス(川)文明と言う狭い呼称におさまらないものです。

高いヒマラヤ山脈を発しアラビア海にまで至ることをもって、文明を担った人々が聖なる川と認識し、何度も最古の聖典リグ・ヴェーダに登場するサラスヴァタ川流域(現在は干上がった土漠)の新たな遺跡を含む文明です。

ヒマラヤ山脈南西の諸河川流域及び海岸部と現在の海中をも含めた広域にわたる注目すべきドラヴィダ族の古い先史文明です。

図2

ヒマラヤ南西文明peg10.23

 

サラスヴァタ川沿いの約2,600遺跡の2/3が、近年になって発見されています。流域の文明は、4,200年前頃、300年にわたる長期干ばつにより衰退したものとみられています。

(川である水の女神サラスヴァタは、仏教に伴い日本に入ってくると弁天 様となっています。)

河口のドゥヴァラカ海底遺跡では、海面下23mの海中に砦壁、波止場などの興味深いものが発見されています。

この文明の中核を担ったタミルの人々は、クマリ・カンダムKumari(女王名)Kandam(大地)の話を長くしっかりと語り継いでいます。

大昔に印亜大陸の南にあった、父祖の進んだ王国の大地が(破滅的に)海に奪われたというものです。

15世紀になって、その陸地の広さ、内部の地域区分が記述されているようですが確としたものではありません。

図2で分かりますように、万年前頃の昔は大陸とスリランカ地域が陸地として繋がっていましたので、そこではないかという説があります。

あるいはもしかしたら、南の解釈によっては、同じく図2の海底遺跡地域のことかもしれません。

他方、近代になってから、アフリカ東方マダガスカル島と東南アジアの生物の不思議な類似性が注目されました。

島にキツネザル(レムール)が生息しており、この仲間は世界中でここからしか知られていない。しかし化石種インドから発見されており、また近縁の原猿類はこの島を挟んでアフリカ中部と東南アジアマレー半島インドネシアにのみ生息する。このようにインド洋を隔てた両地域には近縁な生物が見られる(隔離分布)。(ウィキペディア)

このことから、キツネ猿・レムールが住んでいたレムリ アLemuria大陸がかってあったのではという説が登場し、タミルのクマリ・カンダム話と結びつきました。

Kumari Kandam map.png

(wikipediaから)

ところが、この大陸の仮説は現代の地質学によって完全に否定されています。

でも見てください、仮説レムリア大陸の東方横には海によって大地を奪われたアジアの楽園Sundalandがあります!!

マダガスカル島には、現在も遠く離れたマレー・インドネシア系の子孫が生活しており、同じ言葉を話している不思議さがあります。

キツネザルが教えてくれるマダガスカルMadagascar島―アフリカ中部Mid Africa-インドIndia-アジアの楽園Sundalandの関連性はもっと注目されてよいと思います。

そして、タミルの語り継ぐクマリ・カンダムKumari Kandam話は海に沈んだアジアの楽園Sundalandのことかもしれない、と私は考えます。

そうしますと、図1のように出アフリカ後の人類の東進・北上ルートはその後も往来が続く訳ですので、海の民でもあるタミルと日本の古い時代の関わり、言葉の類似性は驚くほどのことではないでしょう。

そして、大家の柳田国男先生が晩年の昭和36年、日本人の起源について、もっと海上の道に目を向ける必要があるのではないかと言われたことにも思い至ります。

名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実一つ
故郷(ふるさと)の岸を離れて 汝(なれ)はそも波に幾月・・・

(柳田先生の話をもとに島崎藤村)

イネ島やしpeg

(インドネシア・ブリトゥン島の椰子の実)

丁度、先生の生誕140年を記念する展示会が、横浜の港が見える丘公園の神奈川近代文学館で11月23日(月・祝)まで開催されています。

小学校の遠足でこの港に行き、沢山の外国の貨物船を見ました。そして大人になってから、遠足で感じた気持ちを「海外雄飛」と表現することを知りました。

貿易立国、日本の若い人たちがこの気持ちを忘れないで欲しいと思う歳になりました、余談です。

 

 

 

 

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