左図現生人類の出アフリア後のミトコンドリアDNA移住図(YouTube最新)は、昨年9月末の米国ニューメキシコにおける足跡(23-21,000年前)発表の衝撃を反映できていませんがよくできています。
問題は、この発見で「沿岸ルート」仮説がもはや定説化したため注目される日本列島北上ルートであるのに、九州渡海以降が抜け落ちていることです。当時は海水面の100m級の低下(気温は数度低かった)により、「北東亜平野」が現れ、大きな湖のような「曙海」となり、日本海側に大雪が降らなかったなど、現在との大きな違いがありました。そして重要なことは、内陸からの人々もこの時代は未だモンゴロイド化していなかったので、大きな違いのない人々であったことです。東南アジアからの北上ルートは把握されているのに、動画は九州直前で線が止まったまま千年前まで、他は動いてハワイにまで至っているのが全く不思議です。作者の意図は不明ですが、無視されたと憤慨する前によく考えれば、もしかしたら良心的なのかもしれません。というのは、右図日本の巷間の書籍などでは誤解を生む3方向渡来図が多く、時代を追って線を動かしている作者は日本のこんな状況を無視して正しいものとすることをためらったのかもしれません。
日本の問題は、約4万年前からの1万件を超える旧石器遺跡から北上(沖縄南下)が導かれるにも拘らず、です。また、北米インディアンNatives・南米インディオ、豪アボリジニなど世界の先住民族問題に関しては、北海道への進入が鎌倉時代から(北海道大学、DNA分析)のアイヌAinuは全く無関係なのに、オリンピックの際や海外活動などによって世界に誤解が広がっていることも問題です。これらの事は、未だ打ち出されず学生・子供にも教えられていません。ウポポイ館200億円などの膨大な予算から、世界に貢献する祖史研究・遺跡保護等にも振り向けられるべきです。