今注目の北海道史の熱い論議が、新しい第3番目・世代の石器とも言われていた小指の爪先ほどの細石刃の謎をめぐって行われています。
祖代末期、土器出現(縄文時代草創)の前頃に登場したと考えられていた細石刃は、図左2.5万年前の氷河期中の道央千歳(柏台遺跡)で発見され最古とみられています。学界一般では大陸の中国北部やシベリア南部バイカル湖地域発と言われていますが、千歳の物はそれに近い時期で、かつ右図祖代のメイン青ルートである道内最古遺跡の帯広や黒耀石日本一の白滝に最古級の発見が無いため、左図樺太から日本海側の沿岸を南下したとすれば、旧石器遺跡の発見が無いのです。通常、考古学論議では先生方は発見が無いからと新説を認めませんが、この細石刃については、大陸~樺太南下の伝搬説を教科書でも採りあげ、北海道史でほとんどが記述(しかし、確認されているのは、紀元数世紀後のオホーツク・モヨロ人、鎌倉時代からのアイヌ)しています。
他に考えられるのは図左B道央の広大な低地帯の千歳で(小石刃から発展)生まれた(青森の最古土器のように)、または最近発見された長野・香坂山遺跡では3.7万年前の小石刃が発見されてますので、本州発(大陸から 朝鮮 半島を経て九州への伝播は、半島と九州の石器組成の比較などの状況から疑問視されてます)で、北上し変化していった伝播やC白滝や帯広などの細石刃から未だ最古が発見されていないというものです。いずれにしろ、北海道の始まり時代の大きい重要な問題ですので、(アイヌに対する膨大な予算から)発掘・研究等の予算を捻出して、各地の遺跡や細石刃石器の年代測定などを行うべきです。北海道史の重要事項の解明を、子供と世界が待っています。